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ー 綿を育てて 紡いでいます ー 不耕起・草生、無農薬・無施肥で栽培、紡いだ糸で編んだり織ったり、織り布で服を作ったり…の記録です


by wataitoya

カテゴリ:<コラム・考察風>( 13 )

私の通販サイトの綿やタネの価格が、他のサイトと比較して高めなことについて。

私は「綿」には価値があると思ってる。海外で作られた木綿の服が安価に手に入り、簡単に捨てられる今の世の中、苦労してタネから育て、紡ぎを練習して、織るなり編むなりして、ああ、やっと木綿の布ができた!と、そう感じること。その経験にはとても価値がある、綿という植物にはそのもの自体の他にも様々な価値があると考えています。

木綿の服がどのように作られているか、どれだけ手間がかかっているか知って貰いたい。だから私は無料で配るのではなく、それなりの価値ある物として販売することを選びました。

c0228804_10144240.jpgタダで配布することを批判したいわけではありません。自分もタネを無料で配布していた時期がありますし、今もそれなりの理由があればあげることもあります。

栽培継続年数がまだ短かった頃は、無料で配布していました。栽培を継続していくなかで、栽培方法の工夫や選別を続け、付加価値と考えられるものを足し、有料の価値あるものと自負できるようになってきました。

私が販売を始めようした当時、といっても数年前ですが、相場を知るために検索しても、綿や綿のタネの値段はよく判りませんでした。日本の市場は市場ともいえない程度。そんな小さなマーケットでは、私のつけた価格ですら、後々の相場に影響を与えてしまうかもしれないと思い、よく考えて価格を設定したつもりです。
私のタネや綿の価格は高めに感じられる方も多いと思います。それでも、経費や畑やその他の労賃を合わせるとほとんど賄えていません。でもこれ以上高くするのは今の自分の感覚では難しい。売買のどちらの立場からみても何とか納得できる、バランスの取れるところを常に再考し続けていくしかないと思います。

c0228804_10120142.jpgこの先、時代が流れて綿や綿を紡ぐことが日本でもっとメジャーになるようなことがあれば、また違う考えになっていくかもしれませんが、どうなっても、値段に負けないように、綿の価値を、作るものの質を落とさないように努力するということだけは続けていくつもりです。

私と同じように綿自体やその手作業を価値のあるものだと考えて購入・参加・販売される方が増えてくれると嬉しいです。リピーターのお客様には本当に感謝の一言。いつも、ありがとうございます。

今現在の私の販売価格に関する考えでした。長々お読みいただきありがとうございました。







 


by wataitoya | 2019-03-07 20:28 | <コラム・考察風> | Comments(0)
つむぎくらべ」に続いて考察っぽいものシリーズ第2弾です。手紡ぎの糸の太さは何で決まるか。基本的に、繊維の太さ・繊維の量・繊維のコシの三要素で決まると考えています。

c0228804_13160771.jpgまず繊維の太さは、綿の場合、見た目肉眼ではわかり難いですが、触ると何となく判るかもしれません。

一般的に和綿・アジア綿は太めと言われているようですが、画像や数値などのあるサイトが見つけられませんでした。残念。

昭和57年発行『木綿の本・読売新聞社』には、デシ綿(いわゆる和綿もこの仲間)は3~4デニール、海島綿には1.1デニールのものもある、と記載がありました。

1枚目の画像は自分で撮影してみたものですが、光の加減などもあってよくわかりません。画像左が和綿の白で、右が洋綿の緑(画像は全てクリックで拡大)。
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そして繊維の量。本数・密度です。単純にたくさんの繊維を撚りあわせれば、糸は太くなりますが、繊維の量が少なくても、繊維のコシが強ければ、低密度で、ふんわり空気をたっぷり含ませた、見た目太い糸を紡ぐことは可能です。

で、その繊維のコシですが、私は繊維自身の天然の撚りの保持力の強弱という意味でコシが強い弱いという言葉を使っています。少し違いますが硬いとか柔らかいというほうが伝わりやすいかもしれません。髪の毛みたいな。

繊維の量とコシについては、以前のこちらの記事も参考になるかと思います。
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緑綿は繊維のコシが和綿に比べ弱く、なかなか和綿のようにふんわりした糸にするのが単独では難しいです。コシも撚りも和綿より弱く、繊維自体が細いためもあり、紡いだ糸が細くなりやすい。

繊維自身が柔らかいために、それほど固いという印象を受けないかもしれませんが、詰めこまれている感じはわかると思います。

更に細かいことを言えば、繊維にヌメリのような感触があるために紡ぎ難さを感じ、それが紡ぐ太さに影響することもあります。私は緑でふんわりした軽い糸が欲しいときは、和綿を混ぜて紡いでいます。



というわけで、太目のふんわりした糸が紡ぎたいという方には、繊維の太さとコシの強さという点から和綿をお勧めしています。でも紡ぎ方も、好みの糸も人それぞれなので、自分でいろいろ試してみるといろいろ気づけて楽しいかと思います。

ちなみに繊維の長さは太さに影響するかですが、短い場合、太さへの制約にはなるかと思います。その繊維の長さより円周が長い糸は、たとえ紡げても、あまり実用的でないかな、と。手打ちうどんやミニクロワッサンみたいな糸(?)も紡げないことはないけどね(汗)


ヘンな言葉を使っていたりや抜けている点もあるかもしれません。ご指摘いただければ幸いですm(_ _)m










by wataitoya | 2018-07-11 20:40 | <コラム・考察風> | Comments(0)
綿の糸紡ぎは2008年にスピンドルで習って、半年後ぐらいにチャルカを購入、回しすぎで肩が痛むようになり(汗)、足踏み式の紡ぎ車を購入したのが2012年でした。回転比を大きくして紡いでいましたが、チャルカで紡ぐ糸と同じように紡ぎたくても違う糸になります。このことを少し明確にしたくて紡ぎ比べてみました。あくまで今現在の私の場合の覚書です。
c0228804_15484324.jpg左)スピンドル    約1,010cm/1.4g
中)足踏み式紡ぎ車(2)約1,050cm/1.4g
右)チャルカ     約 960cm/1.4g

インドのオーガニック綿、シートで購入した綿をできるだけふんわり、強度はあまり気にせず、太目の糸を目指し紡ぎました。

1枚目の画像(クリックで拡大)は撚り止め後で、二枚目の画像は撚り止め前。紡いで綛あげしたあとの姿。いつもはチャルカで紡いだら錘のまま撚り止めしますが、今回は比較のため撚り止め前に綛上げしました。

足踏み式紡ぎ車(2)は、(1)より、撚りが強くなりすぎないよう、細くなりすぎないようゆっくり紡いだ糸。そんな気をあまり使わずに紡いだ(1)の糸は、約1,340cm/1.4g。
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スピンドルは、タクリのように下に置いて回したり、常に支えながら撚りをかけるのでなければ、つまりスピンドル自体の重みを糸に負担させる紡ぎ方をしている場合、少なくとも重力に耐えるための撚り加減になっているはず。紡ぎ始めと、糸がたまってきた頃では少し違う撚り加減になるかも?この糸は綿工房さんの星型スピンドル(19.4g)で支えたり吊るしたりして、撚り加減を調整しながら紡ぎました。

チャルカは(和式の糸車も)構造上は特に負荷がかからないため、このなかではいちばん撚りの弱い糸、柔らかい糸、繊維密度の低い糸を紡ぎやすいのではないかと思います。特に和綿のようなコシの強い繊維なら、たっぷり空気を含む糸にしやすいのではないかと。もちろん追撚すれば撚りの強い、より丈夫な糸もできます(着物等を扱う方にはその傾向が強いかも?)。でもそれはどの道具でも一緒です。

足踏み式紡ぎ車は紡ぎながら同時にボビンに巻き取るために、ボビン側から糸を引く力が働くので、少なくともその力に対抗できるだけの撚り加減になると思います。また、車を止めてもボビンは惰性でしばらく回り続けるので、チャルカやスピンドルに比べ、回転をコントロールしにくく、撚り加減が不安定になりやすいかと。一応そこは気をつけながら紡ぐようにしているので、チャルカ等には及ばないまでも、ある程度安定して紡げているとは思いますが…。

見た目の印象であってハッキリ数値に表せませんが、一番上の画像で紡ぎ車の糸は両隣より少ーし細めに見えます。両隣とほぼ同じ長さ・重さなので、番手もほぼ同じなのですが。以前番手について書いた記事のように、糸を構成する繊維の密度が違うのではないかと考えられます。両隣に比べ若干柔らかさは劣るかもしれませんが、繊維が詰まっていて、丈夫さは優る糸とも言えますね。

道具によって変わる撚り加減について、とりあえず簡単に、現在のところの覚書でした。

(2019.5追記 チャルカや和式糸車のような錘に巻き取る道具でも、錘に巻く形によって、必要な撚り加減が変わると思います。たとえば一般的な紡錘形より、かぶらと呼ばれる円錐形の形を綛上げまで保つためには、ある程度強く硬く巻く必要がある(大管・小管巻きのように)と思われ、それだけ強い撚り加減にする必要があるかと。紡錘形なら軽く緩く巻いても円錐形よりは崩れにくい。そのまま鍋で撚り止めもしやすいです)








by wataitoya | 2018-05-10 00:00 | <コラム・考察風> | Comments(0)
c0228804_21250129.jpg色の違いは画像で何となく判っても、繊維の質の違いはなかなか伝わり難いです。

この真ん中の綿の繊維は両隣とは少し違う感触。繊維のつき方か、質か、量が違うのか、一つのタネとその周りの繊維のつくる形がまん丸でコロコロしている感じ。

こういう繊維の違いや、色の違いをみながら、仕分けながら綿繰りをしています。できるだけそのままの色や繊維の質を生かして紡いでみたいし、その特徴別に育ててみたいという気持ちもあって。

綿繰り器は手で綿とタネを分けるより楽。それでもそれなりの量があったら時間のかかる作業です。でもたぶん、電動で綿繰りしていたのでは気づきにくそうなことに気づくことのできる時間でもあります。だから電動はいらないけど、足踏みくらいのスピードとコントロール性のある綿繰り器なら欲しいなと思うのでした。
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by wataitoya | 2018-05-03 22:26 | <コラム・考察風> | Comments(0)
c0228804_19385517.jpg逆光の画像ですが(汗)、ハンドカーダーでカードをかけて透かしてみたところです。こうして光に透かして見ると、繊維の密度のムラが判り易いのです。まだ解しきれていない部分や、もちろんゴミなども見つけやすいかと思います。

最近、販売用の篠や細い糸を紡ぐ篠を作るときは、こういうチェックをしています。小っさいゴミ全ては除けませんが(汗)









 
by wataitoya | 2018-04-08 20:28 | <コラム・考察風> | Comments(0)
c0228804_12215092.jpg画像の篠綿はどれも2.5gです。糸に見立てて番手を出すとどちらも同じ番手(番手についてはアヴリルさんのこちらのページがわかりやすいかも)。

番手は糸の太さを表すという説明も見聞きしますが、手紡ぎ糸はそう単純ではないということがよくわかるかと思います。直接触って感触、手応え、弾力を感じたら、確実に違いがわかりますけどね。

ここ数年、綿つむぎの会に初めて参加された方に、紡ぎ比べてみてねと、この篠をお渡ししています。繊維の引き出しやすさや、紡ぎやすい糸の違いなど、いろいろ気づけるといいなぁと。紡ぎたい糸に合わせて篠を作るためにも。






 

by wataitoya | 2018-03-24 16:21 | <コラム・考察風> | Comments(0)
c0228804_22480355.jpg画像の右側の単糸は、2008年9月、私が初めて綿工房さんのWSで紡いだ糸です。正確にはその時にいただいた練習用の綿で紡いだ糸と思われます。約半年後、2009年1月のWS参加までの間に紡いだ糸です。端糸の袋から見つけ出しました(汗)。

(画像左の双糸は、時期は不明ですが、たぶん井の頭公園に出店していた頃、5、6年前のものだと思います)


綿つむぎの会などで初めて紡ぐ人には、思い通りの糸に近づけるためには、練習あるのみだとお伝えしています。それから大事なのは、繊維が繋がっている手応え、切れる(繊維が離れる)感覚を感じること。

自転車の話もよくしています。あんな不安定なモノにまたがって倒れず走るのは、改めて考えると不思議に思いますが、自転車に乗れる人にはまったく不思議でも何でもないでしょう。倒れないスピードを体が覚えて、スピードを上げたり、足をついたり、勝手にコントロールしてくれるから。どのくらいのスピードならどのくらいの曲がり角を曲がれるか、といったことも無意識にできるようになりますよね。

自転車だけでなく、人間は様々な感覚を、数をこなすことで学習していきます。鋏や包丁でモノを切るときも、手応えを感じて力加減や切り方を変えたりします。糸を紡ぐという行為も、練習を繰り返し、その感覚を覚えるしかないのだと思います。覚えてしまえば、目を閉じていても紡げるようになります(目を閉じて試してみると、繊維の繋がっている感覚が判りやすいです)。

覚える速度は人それぞれでも、あきらめずに練習すれば、殆どの人は自転車に乗れるようになれるものですよね。たとえ紡いでいる糸が切れても、自転車でこけた時のように痛い思いをすることはありません。だから切れることを怖がらずに、思い通りの糸に近づけるように、あきらめずにたくさん綿を紡ぎましょう。





 

by wataitoya | 2017-10-16 12:42 | <コラム・考察風> | Comments(0)
(HPより編集転載)


c0228804_15513144.jpg「真綿」は絹、蚕の吐く繊維が原料です。「毛糸」は羊や獣の毛を原料にした糸。植物の綿は「綿」「木綿(モメン)」というのが一般的でしょうか。

綿が好きなのは、元々植物が好きだという理由もありますが、何より自身で調達しやすいという点が気に入っています。そして、ヒトがそれほど面倒をみなくても生きていってくれるところも。

蚕も、自然で育って、孵った繭が残した繭を使う分には特にわだかまりは感じないと思います。ただ、羊も蚕も、何となく哀れが先に立って、あまり積極的に利用する気にはなれません(それでも使いますけどね(汗)。画像は結城で習った方法で真綿を引いた糸です)。






by wataitoya | 2017-10-01 00:00 | <コラム・考察風> | Comments(0)
(HPより編集転載)


c0228804_16194203.jpg木ヘンの「棉」は実綿、まだ種を外していない状態。糸ヘンの「綿」は種を外した後の、繊維の状態のものという区別があるようです。

三河木綿で有名な三河地方では、「棉」はタネを除いた後まで、綿打ちという作業の後からは「綿」というとのこと(http://www.yumeoribito.jp/committee/qa.html)。

私自身、「棉」を使うときは前者の考え方に沿うよう気をつけてはいますが、特に拘りがあるわけではありません。故に、気をつけていても混在してしまうことがあります。気になる方はご指摘ください。







by wataitoya | 2017-10-01 00:00 | <コラム・考察風> | Comments(0)
(HPより編集転載)

c0228804_16401300.jpgはっきりと判りませんが、4~5百年以上前に日本で根付き、受け継がれたアジア綿を和綿(又は日本綿)、それ以外を広く洋綿と区別しているようです。便宜上、私もこの用語を使用しています。

植物学上はアオイ科ワタ属。衣類に利用されているのは四種で、旧大陸起源で二倍体のヘルバケウムとアルボレウム。新大陸起源で四倍体のヒルスツムとバルバデンセ。

和綿はアルボレウム、洋綿はヒルスツムと思われます。染色体数の違いから、和綿と洋綿の間では交雑は起きないと言われています。

私が育てているのは和綿の白・茶・シソ綿、洋綿の緑・茶・赤茶です。タネの大きさ、実の大きさなど全体的に和綿より洋綿のほうが大ぶりです。生育環境は原産地と似ているほうが育ちやすいですし、収穫できる繊維も、その環境に合うような特徴があると思います。詳細はそれぞれのページをご覧ください。









 

by wataitoya | 2017-10-01 00:00 | <コラム・考察風> | Comments(0)