ー 綿を育てて 紡いでいます ー 不耕起・草生、無農薬・無施肥で栽培、紡いだ糸で編んだり織ったり、織り布で服を作ったり…の記録です


by wataitoya

カテゴリ:<コラム>( 10 )

綿の糸紡ぎは2008年にスピンドルで習って、半年後ぐらいにチャルカを購入、回しすぎで肩が痛むようになり(汗)、足踏み式の紡ぎ車を購入したのが2012年でした。回転比を大きくして紡いでいましたが、チャルカで紡ぐ糸と同じように紡ぎたくても違う糸になります。このことを少し明確にしたくて紡ぎ比べてみました。あくまで今現在の私の場合の覚書です。
c0228804_15484324.jpg左)スピンドル    約1,010cm/1.4g
中)足踏み式紡ぎ車(2)約1,050cm/1.4g
右)チャルカ     約 960cm/1.4g

インドのオーガニック綿、シートで購入した綿をできるだけふんわり、強度はあまり気にせず、太目の糸を目指し紡ぎました。

1枚目の画像(クリックで拡大)は撚り止め後で、二枚目の画像は撚り止め前。紡いで綛あげしたあとの姿。いつもはチャルカで紡いだら錘のまま撚り止めしますが、今回は比較のため撚り止め前に綛上げしました。

足踏み式紡ぎ車(2)は、(1)より、撚りが強くなりすぎないよう、細くなりすぎないようゆっくり紡いだ糸。そんな気をあまり使わずに紡いだ(1)の糸は、約1,340cm/1.4g。
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スピンドルは、タクリのように下に置いて回したり、常に支えながら撚りをかけるのでなければ、つまりスピンドル自体の重みを糸に負担させる紡ぎ方をしている場合、少なくとも重力に耐えるための撚り加減になっているはず。紡ぎ始めと、糸がたまってきた頃では少し違う撚り加減になるかも?この糸は綿工房さんの星型スピンドル(19.4g)で支えたり吊るしたりして、撚り加減を調整しながら紡ぎました。

チャルカは(和式の糸車も)構造上は特に負荷がかからないため、このなかではいちばん撚りの弱い糸、柔らかい糸、繊維密度の低い糸を紡ぎやすいのではないかと思います。特に和綿のようなコシの強い繊維なら、たっぷり空気を含む糸にしやすいのではないかと。もちろん追撚すれば
撚りの強い糸もできます。それはどの道具でも一緒。

紡ぎ車は紡ぎながら同時にボビンに巻き取るために、ボビン側から糸を引く力が働くので、少なくともその力に対抗できるだけの撚り加減になると思います。また、車を止めてもボビンは惰性でしばらく回り続けるので、チャルカやスピンドルに比べ、回転をコントロールしにくく、撚り加減が不安定になりやすいかと。一応そこは気をつけながら紡ぐようにしているので、チャルカ等には及ばないまでも、ある程度安定して紡げているとは思いますが…。

見た目の印象であってハッキリ数値に表せませんが、一番上の画像で紡ぎ車の糸は両隣より少ーし細めに見えます。両隣とほぼ同じ長さ・重さなので、番手もほぼ同じなのですが。以前番手について書いた記事のように、糸を構成する繊維の密度が違うのではないかと考えられます。両隣に比べ若干柔らかさは劣るかもしれませんが、繊維が詰まっていて、丈夫さは優る糸とも言えますね。

道具によって変わる撚り加減について、とりあえず簡単に、現在のところの覚書でした。









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by wataitoya | 2018-05-10 00:00 | <コラム> | Comments(0)
c0228804_21250129.jpg色の違いは画像で何となく判っても、繊維の質の違いはなかなか伝わり難いです。

この真ん中の綿の繊維は両隣とは少し違う感触。繊維のつき方か、質か、量が違うのか、一つのタネとその周りの繊維のつくる形がまん丸でコロコロしている感じ。

こういう繊維の違いや、色の違いをみながら、仕分けながら綿繰りをしています。できるだけそのままの色や繊維の質を生かして紡いでみたいし、その特徴別に育ててみたいという気持ちもあって。

綿繰り器は手で綿とタネを分けるより楽。それでもそれなりの量があったら時間のかかる作業です。でもたぶん、電動で綿繰りしていたのでは気づきにくそうなことに気づくことのできる時間でもあります。だから電動はいらないけど、足踏みくらいのスピードとコントロール性のある綿繰り器なら欲しいなと思うのでした。
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by wataitoya | 2018-05-03 22:26 | <コラム> | Comments(0)
c0228804_19385517.jpg逆光の画像ですが(汗)、ハンドカーダーでカードをかけて透かしてみたところです。こうして光に透かして見ると、繊維の密度のムラが判り易いのです。まだ解しきれていない部分や、もちろんゴミなども見つけやすいかと思います。

最近、販売用の篠や細い糸を紡ぐ篠を作るときは、こういうチェックをしています。小っさいゴミ全ては除けませんが(汗)









 
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by wataitoya | 2018-04-08 20:28 | <コラム> | Comments(0)
c0228804_12215092.jpg画像の篠綿はどれも2.5gです。糸に見立てて番手を出すとどちらも同じ番手(番手についてはアヴリルさんのこちらのページがわかりやすいかも)。

番手は糸の太さを表すという説明も見聞きしますが、手紡ぎ糸はそう単純ではないということがよくわかるかと思います。直接触って感触、手応え、弾力を感じたら、確実に違いがわかりますけどね。

ここ数年、綿つむぎの会に初めて参加された方に、紡ぎ比べてみてねと、この篠をお渡ししています。繊維の引き出しやすさや、紡ぎやすい糸の違いなど、いろいろ気づけるといいなぁと。紡ぎたい糸に合わせて篠を作るためにも。






 

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by wataitoya | 2018-03-24 16:21 | <コラム> | Comments(0)
c0228804_22480355.jpg画像の右側の単糸は、2008年9月、私が初めて綿工房さんのWSで紡いだ糸です。正確にはその時にいただいた練習用の綿で紡いだ糸と思われます。約半年後、2009年1月のWS参加までの間に紡いだ糸です。端糸の袋から見つけ出しました(汗)。

(画像左の双糸は、時期は不明ですが、たぶん井の頭公園に出店していた頃、5、6年前のものだと思います)


綿つむぎの会などで初めて紡ぐ人には、思い通りの糸に近づけるためには、練習あるのみだとお伝えしています。それから大事なのは、繊維が繋がっている手応え、切れる(繊維が離れる)感覚を感じること。

自転車の話もよくしています。あんな不安定なモノにまたがって倒れず走るのは、改めて考えると不思議に思いますが、自転車に乗れる人にはまったく不思議でも何でもないでしょう。倒れないスピードを体が覚えて、スピードを上げたり、足をついたり、勝手にコントロールしてくれるから。どのくらいのスピードならどのくらいの曲がり角を曲がれるか、といったことも無意識にできるようになりますよね。

自転車だけでなく、人間は様々な感覚を、数をこなすことで学習していきます。鋏や包丁でモノを切るときも、手応えを感じて力加減や切り方を変えたりします。糸を紡ぐという行為も、練習を繰り返し、その感覚を覚えるしかないのだと思います。覚えてしまえば、目を閉じていても紡げるようになります(目を閉じて試してみると、繊維の繋がっている感覚が判りやすいです)。

覚える速度は人それぞれでも、あきらめずに練習すれば、殆どの人は自転車に乗れるようになれるものですよね。たとえ紡いでいる糸が切れても、自転車でこけた時のように痛い思いをすることはありません。だから切れることを怖がらずに、思い通りの糸に近づけるように、あきらめずにたくさん綿を紡ぎましょう。





 

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by wataitoya | 2017-10-16 12:42 | <コラム> | Comments(0)
(HPより編集転載)


c0228804_15513144.jpg「真綿」は絹、蚕の吐く繊維が原料です。「毛糸」は羊や獣の毛を原料にした糸。植物の綿は「綿」「木綿(モメン)」というのが一般的でしょうか。

綿が好きなのは、元々植物が好きだという理由もありますが、何より自身で調達しやすいという点が気に入っています。そして、ヒトがそれほど面倒をみなくても生きていってくれるところも。

蚕も、自然で育って、孵った繭が残した繭を使う分には特にわだかまりは感じないと思います。ただ、羊も蚕も、何となく哀れが先に立って、あまり積極的に利用する気にはなれません(それでも使いますけどね(汗)。画像は結城で習った方法で真綿を引いた糸です)。






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by wataitoya | 2017-10-01 00:00 | <コラム> | Comments(0)
(HPより編集転載)


c0228804_16194203.jpg木ヘンの「棉」は実綿、まだ種を外していない状態。糸ヘンの「綿」は種を外した後の、繊維の状態のものという区別があるようです。

三河木綿で有名な三河地方では、「棉」はタネを除いた後まで、綿打ちという作業の後からは「綿」というとのこと(http://www.yumeoribito.jp/committee/qa.html)。

私自身、「棉」を使うときは前者の考え方に沿うよう気をつけてはいますが、特に拘りがあるわけではありません。故に、気をつけていても混在してしまうことがあります。気になる方はご指摘ください。







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by wataitoya | 2017-10-01 00:00 | <コラム> | Comments(0)
(HPより編集転載)

c0228804_16401300.jpgはっきりと判りませんが、4~5百年以上前に日本で根付き、受け継がれたアジア綿を和綿(又は日本綿)、それ以外を広く洋綿と区別しているようです。便宜上、私もこの用語を使用しています。

植物学上はアオイ科ワタ属。衣類に利用されているのは四種で、旧大陸起源で二倍体のヘルバケウムとアルボレウム。新大陸起源で四倍体のヒルスツムとバルバデンセ。

和綿はアルボレウム、洋綿はヒルスツムと思われます。染色体数の違いから、和綿と洋綿の間では交雑は起きないと言われています。

私が育てているのは和綿の白・茶・シソ綿、洋綿の緑・茶・赤茶です。タネの大きさ、実の大きさなど全体的に和綿より洋綿のほうが大ぶりです。生育環境は原産地と似ているほうが育ちやすいですし、収穫できる繊維も、その環境に合うような特徴があると思います。詳細は今後それぞれのページに記していきます。


<HPより転載>







 

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by wataitoya | 2017-10-01 00:00 | <コラム> | Comments(0)
(HPより編集転載)


通常栽培の農薬や肥料、マルチなど農業資材は、環境負荷などの見えにくいコストを考えたら決して安くはないと思います。資材の調達・製造工程でもいろいろ環境に影響を与えますし、製品運搬から、施し続けた後の土への影響まで考えたら、未来に向けて、本来どれだけのコストがかかっているのか、まったくわかりません。そんなに無駄なコストをかけてまで大量に綿を生産する必要があるのか、疑問です。

オーガニック認証されているものは別として、「オーガニック」という言葉の定義自体には曖昧な点があったりして、若干うさんくさいイメージが拭いきれません。多くの方は漠然と「オーガニック=無農薬」と思われているようですが、完全に無農薬とは限りません。オーガニック認証されているものも、規定内の肥料・農薬は使用可能だそうです。ビニールマルチも使用の制限はないようです。

それでも、通常の環境負荷の大き過ぎる大量生産の綿栽培に比べれば、まだマシなんだろうと思いたいし、オーガニックな方法が世界のスタンダードになればいいなぁとは思います。

ただ、収穫できた綿そのものに、なにか差があるのか、私にはわかりません。もし何か違いを感じるのであれば、それは紡績の仕方、加工の方法などによるのではないかと思います。私の栽培している綿も綿自体に何か特別なものがあるわけではありません。
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私の栽培している綿は、無農薬、無施肥、できるだけ耕さず、草も残して栽培しています。お金を使いたくない、無駄な労力をかけたくないと考えてのことです。また、畑にいる生き物にできるだけ影響を与えないように、できるだけ環境を変えないよう努めています。

雑草や虫や微生物を殺さずに済み、鳥の餌場にもなる畑です。収穫できる作物が、私の体によいか悪いかは判りませんが、私の心は罪悪感を感じることが少なくて済んでいます。

周りの畑の方々からの目がもう少し温かいと、もっとストレスなく過ごせるんですが(汗)、いろんな栽培方法への理解が広まるには、まだまだ時間が必要なようです。





 

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by wataitoya | 2017-10-01 00:00 | <コラム> | Comments(0)
(HPより編集転載)


いわゆる「在来種」という言葉の定義は曖昧で、ヒトの都合で決められていると思います。たとえば在来種の定義が「その土地で数十年生存してきた」でよければ、外来種として敵視されているものが随分減りそうです。逆に数千年と言われれば、現在いわゆる和綿といわれているものも、元々は日本に無かった、外来種だといわれてしまうかも。

綿栽培が始められた頃は、まさに外来種だったのでしょうが、当時のヒトにとって有用な綿は、現在のいわゆる外来種のような扱いは受けなかったと思います(まあ、もともと勝手に繁茂する雑草タイプの植物ではないので、有用でなくても影響はさほど大きくはならなかったと思いますが)。


様々な人の様々な価値観で定義づけられた「在来種」という言葉に、私は特に価値を見出せません。元々どこから来た種で、どの土地で何年、どのように栽培されてきたかというような、具体的な情報の方がずっと重要なのです。

私の栽培している和綿は松江の親戚から譲られたものなので元々は伯州綿と思われますが、譲り受けた時と、数年関東で栽培した後で、繊維の質が変わったように感じます。今はもう関東綿とでもいったほうがいいかもしれません。
c0228804_19222625.jpg和綿には様々な栽培地ブランドのようなものがあるようです。元々日本にやってきた少量のタネが、大島・会津・弓ヶ浜などそれぞれの土地でそれぞれの特徴を持つに至ったのか、もしくはその地域ごとに別々のルートから輸入されてきたのか、本当のところは判りません。ですが、その特徴はその土地で栽培されてきたゆえのものではないでしょうか。その特性はいまも確かに引き継がれているのでしょうか。

​守りたい品種特性があるのなら、同じ土地で、昔と同じ環境で、昔ながらの栽培方法で育てる必要があるのではないかと思います。私は実際にいくつもの和綿を育てて比べたことは無いので、特性をそのまま引き継げるのか、ある程度変化していくのか、遺伝子レベルで変化するのか、正確なことはわかりません。でも、植物は植物自身にとって都合の良いように変化していくのは確かでしょうから、私はできるだけそれに任せたいと思っています。








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by wataitoya | 2017-10-01 00:00 | <コラム> | Comments(0)